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IBMの大企業病をアナリティクスが救う(前)

2013/11/27

Rob Enderle CIO

企業の幹部は自分以外のすべてを犠牲にして自らを助く

 1980年代にIBMが抱えていた問題は、ほとんどの大企業で大なり小なり見られるものだ。すなわち、質の高い仕事をすることより、社内の体制にうまく付け入ることに熱心な幹部や社員が非常に多かったということだ。社内の競争分析部門が把握したところでは、ビジネスの真の状況がどうであれ、順調との印象を与えるような報告を幹部に上げておく方が、昇給や昇進の面で有利だった。かつて企業向けストレージ市場で90%以上のシェアを誇っていたIBMが、わずか数年で30%足らずにまで転落したのも、そうした姿勢が一因だった。

 また幹部たちは、自らの部門が扱っているテクノロジーの本当の意味を幹部仲間や上層部が理解していないのをいいことに、バズワードや短縮語を適当につなぎ合わせて説明を行っていた。その部下たちは、説明が意味を成していないと指摘するのをはばかった。一方、説明を受けた上司たちは、意味を成していないということ自体が分かっていなかった。特に記憶に残っているのは、会議の席でまったく理解不能な指示を出すことで有名な幹部がいたことだ。出席者は会議の後で戸惑うばかりだった。その幹部は、もっともらしい言葉をもっともらしく並べていたものの、発言の内容は支離滅裂だったからだ。

 筆者はかつて、社内でも特に重要な事業部門のトップに接触し、当時明らかに行き詰まりの状態にあった数々の点を指摘して、見解を尋ねたことがある。するとその人物は、それらの問題については重々承知しているが、仮に事態の改善を図ろうとすると、そもそも多数の問題が存在することの責任を問われ、自らの首が危なくなるとの返事だった。この人は、既に判明している重大な問題に対処することより、自分の年金のほうを心配していたのだ。

翻訳:内山卓則=ニューズフロント

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