続・IP電話の夜明け前(15)ブロードバンド時代到来に考えた(2002年秋)
通信事業者向けの宅内装置の開発をようやく終えた。ブロードバンドの普及が始まり、そこで何ができるのかを模索することになった。
では、加入者宅まで桁違いのスピードが提供されたとき、なにが生まれ、どんなことが起こるのであろうか。私たちは、今の開発だけをただ追いかけていればいいのだろうか。熱い夏の苦労を乗り越え出荷にこぎつけた宅内装置を見つめながら、そんな思いが頭をよぎっていた。 VoIPの本当の潜在能力、それはまだ世間一般には認識されていないが、自分には分かっている、という自負があった。その能力を引き出し、顕在化させたい。ブロードバンド時代にふさわしい、新たなVoIP技術というものがきっとあるはずである。通信キャリア向けの宅内装置の順調な出荷により市場実績は増えたものの、開発に携わるものとしては一種の焦燥感のようなものを感じるようになっていた。
「グヌーテラ」による巨大交換機仮説 まず第1の仮説は「グヌーテラによる巨大交換機仮説」である。 当時「ナップスター」と「グヌーテラ」の二つがファイル共有技術として話題になっていた。私達が注目したのは、このうちより純粋なPtoP技術を使っていたグヌーテラの方である。ネットワークがけた違いに高速になると、数珠繋ぎに通信しても時間はかからないことから、小さな単位のものをブロードバンド回線ループ上につなぎ合わせることで大きなシステムをシームレスに作りだすことができるのではないかと考えた。
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