プロセッサとGPUのハイブリッド構成でエクサ機を目指すのが、米IBMと米エヌビディアである(図1)。特にIBMについては、一世を風靡したBlueGene/Q後継機の話が聞こえてこない現状では、このハイブリッド構成がエクサ機実現への切り札になっている。

図1●次世代プロセッサのメモリー階層構造
図1●次世代プロセッサのメモリー階層構造
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 最大の武器は、エヌビディアが「NVLink」、米IBMが「CAPI(コヒーレント・アクセラレーター・プロセッサ・インタフェース)」と呼ぶ新インタフェース。CPUとGPUを結合、互いのメモリーを自由にアクセスできるようにする。「いわば、プロセッサの内部バスをそのまま外に引き出したようなイメージ」(米IBMのPOWER関連事業を統括するゼネラル・マネージャーのダグ・バローグ氏)。CAPIからフラッシュメモリーにアクセスすることもでき、その場合はPCI Express接続の一般的なサーバーサイドフラッシュと比べ、レイテンシを大幅に低くできるという。

 IBMのプロセッサ「POWER 8」は、DDR系DRAMインタフェースを外部チップに外出しすることで、1プロセッサ当たりのメモリー容量を極大化することを狙う。外部チップには計128MバイトのeDRAMを「4次(L4)キャッシュ」として載せている(図2写真1)。

図2●米IBMのPOWER8は外部のL4キャッシュに512GバイトのDRAMを接続
図2●米IBMのPOWER8は外部のL4キャッシュに512GバイトのDRAMを接続
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写真1●POWER8を搭載したPower Systemsに取り付けるメモリーモジュール
写真1●POWER8を搭載したPower Systemsに取り付けるメモリーモジュール
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