インターネットイニシアティブ(IIJ)と日本マイクロソフトは7月10日、マルチクラウドサービス提供に向けて協業すると発表した(関連記事:IIJ、インターネットを介さずAzureに接続するサービスを日本初提供)。第一弾として、マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」への閉域網接続サービスをIIJが提供開始する予定。複数のクラウドを使い分けるマルチクラウドが、日本でも離陸する。

 ユーザーは、IIJのバックボーンネットワーク上に専用プライベートネットワークを構築し、IIJとマイクロソフトのクラウドサービス、および自社(オンプレミス)を結んだシステムを構築できる。両社の狙いは、安全性が求められる企業システムをクラウドへ導くこと。IIJの専用サーバーやセキュリティゲートウエイを連携して信頼性を高め、企業ユーザーが抱くクラウドサービスへの不安を和らげようというわけだ。

 2月の日本データセンター開設に続き、Microsoft Azureの信頼性向上にまい進するマイクロソフト。その足元に、来年7月の「Windows Server 2003」のサポート切れが迫っている。7月8日の「サポート終了に関する記者説明会」では、6月末で約30万台のWindows Server 2003が稼働中と推計。移行先の一つとしてクラウドサービスが挙がる昨今、“他社への流出”を防ぐためにも、Microsoft Azureの強化は続きそうだ。