Excelを使って曲線グラフを描くには「x」「y」の個数がある程度必要になる。このことは「あのイノベーション採用者カテゴリーをグラフで考えてみる」で説明したとおりだ。今回は、この曲線を使った幾何図形のアートに挑戦したいと思う。

●サインとコサインでアートする

 「オマエがアートだって。アーット驚くミスマッチ」

 ……オヤジギャグを飛ばすなよ。ま、アートと言っても自分の腕を頼りにするわけではない。Excelのグラフ機能を使って、パソコンに自動的にアートさせるのが、今回の眼目である。グラフの基礎データに利用したのはSIN関数とCOS関数だ(図1)。

SIN関数による正弦波、COS関数による余弦波を「散布図(平滑線)」で描いた。このように綺麗な波形を描ける
図1 まずは幾何図形アートの基礎から
図1 まずは幾何図形アートの基礎から
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 SIN関数とCOS関数はいずれも三角関数の1つで、ラジアン(角度)からサインを求めるのがSIN関数、同じくラジアンからコサインを求めるのがCOS関数だ。

 実はサインとコサインは、与えられたxについて同じ形状の波形を描く。それを示したのが、「散布図(平滑線)」を使った図のグラフだ。x値がA列で、y値についてはサインのグラフがB列、コサインのグラフがC列の値を用いている。

 しかし始点が異なるため波形にずれが生じる。言い換えると、同じx値でもサインとコサインでは対応するy値が異なるわけだ。この特徴を生かすのが、今回の幾何図形アートの真骨頂にほかならない。