東京電力が数万台にも上るWindows XPパソコンを今後数年間にわたって使用し続けるという報道が話題を呼んでいる。

 7月6日に読売新聞が報道したことを受け、東京電力は『平成26年7月6日付(朝刊)読売新聞1面「東電「XP」5年間継続 48000台 国は3度更新要請」について』という声明を発表した。

 この中で東京電力は、(1)Window XPを利用しているパソコンは残存しているが計画を前倒しして更新作業を進めている、(2)社内ネットワークやパソコンに対して各種の対策を講じ、グループの全社員に対し注意喚起を行っている、(3)電力供給に関する基幹設備の制御システムは外部ネットワークから切り離された独立したシステムである――と述べている。

 しかし、肝心の報道内容の真偽については何も述べていない。否定しないところを見ると、おおむね正しいのだと思われても仕方ないだろう。

 ITproが最近実施した調査でも、XP搭載パソコンが社内に残っているという回答が65%に達し、XP機は少なからず残存している状況が明らかになっている。ただ、その内訳を見ると「10%未満」が35%で最も多く、大半のPCはWindows 7や8などに移行済みのようだ。また「Windows XPの移行期限(予定)」について聞いたところ、「2014年6~9月」が43%と一番多かった(関連記事:サポート終了後も2割弱が「社内で最も多く利用」、XPの実態を緊急調査)。

 これに対して東京電力では、全パソコン台数に対する割合は不明なものの4万台を超えるXPパソコンが残っており、計画を前倒ししているとはいうものの移行に数年間を要するもようだ。東京電力のような大企業がこうした状況にあることは、まさに驚きと言えよう。

 声明からは台数、時期、対策の内容といった具体的なものは何も見えてこない。「対応している」「大丈夫」というかけ声だけでなく、もっと具体的なXP撤廃策を明らかにしていただきたいものだ。