コピー&ペースト、通称「コピペ」。画面上の文字列や画像を指定して複製し(コピー)、それを別の位置に貼り込む(ペースト)こと。これ自体はデジタルの世界では当たり前の機能だが、ネット上にあるほかの人の文章や画像など簡単に引用できてしまうという側面もある。学校に提出するレポートや研究成果などをまとめた論文を作成する際に、ネット上にあるものをコピペをする例が後を絶たない。

 既に多くの大学が、レポートや論文などにコピペによる情報が入り込んでいるかを調べる「コピペ判定ソフト」を導入している。ある有料のコピペ判定支援ソフトは、2009年12月の発売以来、全国の大学など352校で導入されていることをホームページで公開している。つまりそれだけ多くの学校でコピペが横行しているか、少なくともコピペされる恐れを感じており、教員が頭を悩ませているということだ(写真1)。

写真1●ネットから使える無料のコピペ判定ソフトもある
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 栄光ゼミナールが2010年に実施した「中学生の学習とインターネット利用」に関する調査によると、勉強する際にインターネットが必要と思うかという問いに対して、44.2%が「思う」と答えている。さらに、課題や宿題の際に使ったことがあるQ&Aサイトや百科事典サイト(複数回答形式)について、「Yahoo!知恵袋」と「Wikipedia」がともに63.2%と最も高い結果となった(写真2)。

写真2●多くの中学生の情報源として名前が挙がったインターネット百科事典「Wikipedia」
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