意識や行動、そして考え方などの違いを世代を切り口にして比較するのは、日本に限らず海外でもよくある。「ベビーブーマー」や「ジェネレーションX」、そして「ミレニアル世代」という呼び名はこうして生まれてきたものだ。

 中でもミレニアル世代は、今後のマーケティングを考える上で最重要視しなくてはならない層とよく言われる。1980年代から2000年代にかけて生まれたこの世代は、現在ではその大半が成人となっており、さらに30代に届いた層も出ている。

 そのミレニアル世代についてまとめたレポートを、2014年6月にアイルランドのExperian Marketing Servicesが「Millennials come of age (大人になったミレニアル世代)」というタイトルで発表した。このレポートは、ライフスタイルや金銭感覚、そして宗教観など幅広い切り口で、ミレニアル世代の現状を他の世代と比較しながら分析している。

 その中に「Connectivity and Technology(つながりとテクノロジー)」というセクションがある。ここからは年齢や世代で、情報やデバイスに対する接触の仕方が大きく変わるのは、日本だけではなく米国でも同様だということがよくわかる。

 例えばメディアへの接触時間で、世代間の違いが見えてくる。ミレニアル世代は、少なくとも1週間あたり約67時間メディアに接触している。これは「ジェネレーションX(1961年から1981年の間に生まれた世代)」や「ベビーブーマー(1946年から1959年の間に生まれた世代)」、そして「サイレントジェネレーション(1925年から1945年の間に生まれた世代)」と比較しても長く、1日平均9時間半以上メディアに接触している計算になる。

 またアナログよりもデジタルでメディアに接触する時間が長いことが、ミレニアル世代の特徴である。実際、約67時間のメディア接触時間のうち、デジタルメディアに接触している時間は35時間であり、アナログメディアの32時間を上回っている。これは各世代の中で、唯一ミレニアル世代にだけ見られる傾向だ。