インドのスマートフォン市場が急成長している。背景には端末メーカーのし烈な競争がある。韓国サムスン電子やソニーなどのグローバルメーカーに加え、インドの地場メーカーであるマイクロマックス、カーボン、ラバの人気も高い。人口12億を超える巨大な潜在市場の現状と今後を解説する。

 IDCインド(以下、IDC)が2014年2月26日に発表した調査結果によると、インドにおける2013年の携帯電話出荷台数は2億5700万台。そのうちスマートフォンは4400万台だった。まだインドではフィーチャーフォンの比率が約8割と圧倒的に高い。

 一方で、大胆な予測もある。英Guardian紙は、2014年にインドでは2億2500万台のスマートフォンが販売され、2億700万人が初めてスマートフォンを手にするという調査結果を発表している。

 高成長が期待されるスマートフォン市場を牽引する要素の一つが、端末メーカーによる競争の激化である。韓国サムスン電子、フィンランドのノキア(2014年に米マイクロソフトが買収)、ソニーといった老舗のグローバルメーカー以外に、インドのマイクロマックス、カーボン、ラバといった地場メーカーの人気も高い。中国メーカーや米ヒューレット・パッカード(HP)、パナソニックなども進出している。直近の市場シェアや注目したいメーカーの動向を見ていこう。

地場メーカーが存在感を示す

 IDCによれば、2013年第4四半期(2013年10月~12月)におけるスマートフォンの出荷台数は1506万台。前年同期の535万台と比べて、181%増と大きく伸びた。

 メーカー別では地場のマイクロマックス、カーボン、ラバがランクインして存在感を示している。日本勢ではソニーが4位に入った(表1)。

表1●インドにおける2013年第4四半期のメーカー別スマートフォン出荷台数