7月2日から始まった「IT Japan 2014」で、新日鉄住金ソリューションズの謝敷社長が「『ヒトとITのリデザイン』~ITの技術革新が創造する新しい“ものづくり”の現場~」というテーマで講演した。その中で、筆者自身がもやもやと感じていたことをずばり指摘してくれている。

 人の育成にかけられる時間が極端に短くなっていることだ。ITの現場はもちろん、様々な業界・業種で起こっていることだろう。それを謝敷社長は「経験主義的人材育成論の限界」と指摘。経験主義的人材育成論とは、「自分の背中を見て育て」という育て方のことで、5年、10年かけて一人前に育てばそれでよし、とするものだ。

 今の現場はどこも忙しい。10年かけて一人前という時間感覚では遅すぎるし、そんな職場では若手社員からもそっぽを向かれてしまう。短期間で一人前に育てる仕組みの有無が、企業の競争力を大きく左右する時代になった。