電子化したスマホお薬手帳、アイセイが全国297店舗導入へ
クラウド上に顧客データを蓄積、将来の外部への提供など視野に
全国297店舗(2014年6月時点)で調剤薬局事業を展開するアイセイ薬局は、全店舗にスマートフォン用のお薬手帳アプリである「おくすりPASS」の運用を決定した(写真1 )。全店舗の運用開始は2014年10月末から。全国展開に先駆けて、実証実験を2014年5月に日本橋室町店(東京都中央区)で開始した(写真2 )。アプリのダウンロードや利用は無料。
写真1●アイセイ薬局が2014年5月に運用の実証実験を開始した「おくすりPASS」
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写真2●2014年5月から運用の実証実験を行っているアイセイ薬局日本橋室町店
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おくすりPASSの特徴は、クラウド技術を活用して、服用履歴などの情報を薬剤師と顧客(ユーザー)が共有できること。米アマゾンが提供するクラウドサービス、AWS(Amazon Web Services)上に、調剤データや服用履歴を、収集、配信するシステムを構築した。クラウド型の電子版お薬手帳アプリを全国規模で展開するのは、調剤薬局主導ではアイセイ薬局がはじめてだ。
電子化したお薬手帳を全国展開へ
お薬手帳は、医療機関が処方する医薬品の名称や回数などを記録する手帳で、調剤薬局や医療機関で多くの場合無料で手に入る。薬局で受け取る調剤明細書を張り付けるなどして保存することで、服薬履歴として利用できるのに加えて、身長、体重、既往歴、アレルギー歴、副作用歴なども記録できる。患者が自身の服用履歴を確認するだけでなく、処方薬の飲み合わせや過剰な摂取をチェックするのにも役立つ。また、診察の際に、患者がお薬手帳を見せることで、医師がアドバイスしやすくなるなどのメリットもある。
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