こんにちは、プロセスデザインエージェントの芝本秀徳です。今回は特別編として、「プロジェクトを成功させるために必要なこと」というテーマに関する筆者の持論を1回完結形式で解説します。本連載(プロジェクトマネジャーのための「プロセス設計術」)をこれまで読んだことのないITpro読者のみなさんにも、前提知識なしに読める形で分かりやすく説明します。

 筆者はかつて、現場で働くエンジニアとして、また現場リーダーやプロジェクトマネジャー(PM)として、様々なITプロジェクトに携わってきました。そして現在は、コンサルタントとしての立場から数多くのITプロジェクトに関わっています。

 また、(1)システム構築を請け負うITベンダー、(2)システムを導入するユーザー企業、(3)両者の架け橋としての役割を担うコンサルタント--という三つの異なる立ち位置および視点から「プロジェクト」というものを長年見てきました。

 参加したプロジェクトのなかには、成功したものもあれば、失敗したものもあります。特に、エンジニアとなって間もなかったころには、現場の仲間が次々とプロジェクトチームを離脱するような酷い「デスマーチ」に何度も直面し、プロジェクトの炎上や失敗を経験しました。

 こうした成功や失敗の経験を積み重ねた結果、「プロジェクトを成功させるために必要なことはたった一つしかない」ことが分かってきました。逆に言えば、どれだけ優れたメンバーを揃え、経験豊富なベテランPMが指揮をとっても、その「たった一つのこと」ができていなければプロジェクトは失敗します。