総務省は2014年7月14日に「変な人」の募集を開始する。同省が募集する「変な人」とは、情報通信分野における技術的な課題を、従来にはない変わった発想で解決を目指せる人材のこと。「変な人」からの研究課題およそ10件を採択し、上限300万円として研究費を支給する。

 応募条件は、義務教育を修了していることのみ。募集期間は2014年8月20日まで。研究期間は1年間。「アイデアと技術力を兼ね備えた、米フェイスブックの創業者ザッカーバーグ氏のような人物をイメージしている」(総務省 情報通信国際戦略局 技術政策課の高村信 統括補佐)。

募集前から数十件の応募、新幹線で駆けつけた人も

 ICT分野の研究者個人を支援する今回の事業の名称は「異能vation(いのうべーしょん)」。以前は「独創的な人向け特別枠(仮称)」としていた()。支援する対象を、通称「変な人」としている。この通称のため、募集開始前から、今回の事業はネットで大きな話題になっていた。

図●総務省が2014年5月22日に発表した「独創的な人向け特別枠(仮称)」の資料
[画像のクリックで拡大表示]

 総務省では、「変な人」の募集に先駆け、今回の事業を運営する業務実施機関を2014年5月22日から6月10日にかけて募集した。この期間中、総務省には電話での数百件の問い合わせが殺到。「変な人」募集が始まったと勘違いした人からは、実際に数十件の応募があった。遠方から新幹線で応募書類を持参した人もいたという。今回の「変な人」募集が、いかに注目されていたかがうかがえる。