写真●米エヌビディアや米アプライド・マイクロ・サーキットが「ISC'14」で公開した、64ビット版ARMプロセッサを搭載したHPCサーバー
写真●米エヌビディアや米アプライド・マイクロ・サーキットが「ISC'14」で公開した、64ビット版ARMプロセッサを搭載したHPCサーバー
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 「2、3カ月後には、Moonshot向けARMサーバーを披露できるだろう」。2014年6月にドイツで開催されたスパコン国際学会で、米ヒューレット・パッカードの展示担当者はこう語った。「(2013年12月に事業停止した)米カルセーダの件は残念だったが、HPがサーバー用ARMプロセッサの提供でパートナーを組む企業は米アプライド・マイクロ・サーキットや米テキサス・インスツルメンツなど複数ある。供給に問題はない」(展示担当者)。

 ARMコアの64ビット版を業務サーバーに応用する「ARMサーバー」の商用化に向けた動きが、ここに来て活発になっている。スマートフォン向けに省電力性能を磨いてきたARMコアに、消費電力を抑えた次世代データセンター実現の切り札として期待が集まっているためだ。ARMサーバーは、以前に比べて省電力の要求が厳しくなっているHPC(High Performance Computing)市場で2014年後半に離陸し、2015年以降にWebサーバーやHadoop用システムなどに展開することになりそうだ。

 米エヌビディアはISC'14において、64ビット版ARMコアを搭載したプロセッサと、自社のGPUアクセラレーターを組み合わせたHPCサーバーを公表した。米シラスケール(Cirrascale)、伊E4コンピュータエンジニアリング、伊ユーロテックの3社が年内に製品版を発売するという。