スマートフォンの普及が進むにつれ、「携帯電話の料金が高い」という声が相次ぐようになっていた。そこで今年に入ってから、携帯電話事業者大手は従来の料金体系を大きく変更し、話題となっている。

 “通話定額”などインパクトのある料金体系が目をひく一方で、人によっては以前より割高になるとも言われる各社の新料金プラン。携帯電話事業者は料金の仕組みをどのように変えてきたのだろうか。その背景と狙いを探ってみよう。

「スマートフォンは料金が高い」という声はなぜ起きた?

 ここ2~3年でスマートフォンの人気が爆発的に広がり、携帯電話の市場動向が劇的に変化した。だが実は、スマートフォンへの乗り換え傾向に、最近ブレーキがかかってきている。その理由には様々な要素があるが、最も大きな理由の一つとして挙げられているのが「スマートフォンの料金は高い」ということだ。

 特に指摘されていたのが、30秒20円(税別)で高止まりしていた通話料金だ。スマートフォンに移行していないフィーチャーフォンユーザーの多くは、通話を積極的に利用していることから、高止まりする通話料を敬遠してスマートフォンへの移行を避けていた側面がある。

 しかしなぜ、従来の携帯電話料金プランでは、通話料が高額だったのだろうか。その理由は、フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行に伴い、携帯電話事業者各社が料金プランの一本化を進めからだ。

 ではスマートフォンが普及する以前、フィーチャーフォン時代の料金プランは、一体どのようなものだったのだろうか。当時と同じ料金プランを維持している、NTTドコモのFOMA(3G)向け料金プランの「バリュープラン」の内容を確認してみよう(図1)。

図1●フィーチャーフォン時代の料金プランの仕組み(NTTドコモ「バリュープラン」の例)
図1●フィーチャーフォン時代の料金プランの仕組み(NTTドコモ「バリュープラン」の例)
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