異なるデザインのWebサイトを複数種類用意し、ユーザーの利用度の違いを調べるテストのこと。まず、同じ目的のWebページについて、AパターンとBパターンの2つを事前に用意。ユーザーに実際に使ってもらいながら、どちらがアクセス数が多いかなどの効果を調べる。パターン数が3つ以上でもA/Bテストと呼ばれる。

 A/Bテストは、Webサイトへの「アクセス数を増やす」などの目的を達成するために実施する。成長請負人である「グロースハッカー」が、魅力的なWebサイトを開発するために用いる手法として注目を集める。Webサイトのデザインの開発を、経験や勘に頼るのではなく、データを用いて科学的に分析する。

 この手法への関心が高まったのは2008年の米大統領選挙である。バラク・オバマ陣営が選挙期間中、選挙用のWebサイトのコンテンツを改善する際にA/Bテストを適用。その結果、1億ドル以上の寄付金を追加で集めることに成功したとされる。

 A/Bテストの支援ツールもある。米オプティマイザリが、日本語版のA/Bテスト支援サービスを提供。米グーグルが手がける解析サービス「Google Analytics」も活用できる。リクルート出身の須藤憲司氏が2013年に米国で創業したKAIZEN platformのA/Bテスト支援サービス「planBCD」は、国内でのユーザー企業数を着実に増やしているという。