クラウドワークス代表取締役社長兼CEOの吉田浩一郎 (写真=室川イサオ)
クラウドワークス代表取締役社長兼CEOの吉田浩一郎 (写真=室川イサオ)

 「かつては名誉やお金を第一に追い求めていたが、それが原因で数々の失敗を経験し、いったん全てを失った。代わりに今は『共感』や『感謝』を得るために一生懸命働いている。人とのつながりによって生まれる喜びや感謝こそが私がビジネスを通じて追い求めるべきもの。これが過去の失敗から得た最大の教訓だ」---。

 クラウドワークス代表取締役社長兼CEOの吉田浩一郎氏(写真)は、2014年6月18日に都内で開催された「FailCon Japan」で講演を行い、このように熱く語った。

 吉田氏はまず、自身が起業家として活動を始めるまでの経緯を振り返るところから語り始めた。神戸で生まれ育った吉田氏は、学生時代に演劇の道を志すが挫折、借金を背負ってしまう。就職の道を選ばざるを得なくなった同氏は1999年、パイオニアにカーナビのルートセールスを担当する営業マンとして入社した。ここで好成績を挙げた吉田氏は、「新規営業をやりたい」と外資系企業に転職し、新規事業立ち上げなどに携わる。

 この事業立ち上げにも成功した吉田氏が次に興味を持ったのは、会社を作ることだったという。「でも、何をどうすればいいのか分からなかった。そこで、経営コンサルタント大前研一氏が主催する起業家養成ビジネススクールを受講したところ、そこで堀江貴文氏らネット分野で活躍する人々と交流する機会を持つことができ、インターネットビジネスの面白さを知った」(吉田氏)。

 吉田氏はその後、モバイル向けコンテンツの企画や開発などを行っていたドリコムの役員に就任、同社は2006年2月に東証マザーズ上場を果たす。「これで俺にもできるだろう」と自信を持った吉田氏は2007年に独立を決意。会社を作り、起業家として歩み始めた。