「比べて使おう!」連載の最後に紹介するのは、IBMの「Bluemix」である。IBMが買収したパブリッククラウド「SoftLayer」に、オープンソースのPaaS(ITproまとめ)ソフトウエア「Cloud Foundry」を実装したサービスを展開するクラウドプラットフォームだ。

 最近までオープンベータとして提供されていたが、2014年6月末に正式版として発表されたばかりである(関連記事:BluemixにDaaSも追加、アプリ開発コンテストも実施)。

 これまでの3回で紹介したサービス(AWSAzureGoogle Cloud)では、IaaS(用語解説)とPaaSが混在していた。だが、BluemixはPaaSのみ。SoftLayerのIaaSにBluemixがPaaSとして乗っていると考えてもいいだろう。Bluemixのダッシュボードにはシステムの稼働状況や利用中のサービスが並んでいる。サービスの追加は画面上の「CATALOG」から行う(写真1)。日々いろんなパーツが増えたり変わったりして動きが激しい。

写真1●Bluemixのカタログを開くとソフトウエアやテンプレートが並ぶ

「オンプレミスからの移行ありき」になじまず

 これまで紹介したクラウドサービス、特にAWSMicrosoft Azureでは「オンプレミスで稼働している業務システムをどうクラウドに移行するか」ということが暗黙の前提となっていた。Bluemixにその発想はややなじまない。BluemixはIBMが見据えた次世代のシステムのプラットフォームと捉えるべきだろう。

 ただし、IBMがオンプレミスからクラウドへの移行を全く考えていないというわけではない。それはBluemixとは違う形や手段で提供されることになりそうだ。