今日公開した、「“ホテル・カリフォルニア”クラウドにご用心 」を読んでいると、「プロプライエタリ―」という言葉が目に飛び込んできました。

 独自の仕様を意味するプロプライエタリ―と、公開された仕様の意味で使うオープンの二つの勢力は、ITの世界で長く存在してきたものです。メインフレームとUNIXの戦いが最初に頭に浮かんでくるのですが、最先端のはずのクラウドの世界に、プロプラなサービスが存在するというのが、少し不思議でした。ITインフラ全般を代替するクラウドは、なんとなくオープンなものだと考えているからかもしれません。

 ただ、高収益を確保したいIT会社がプロプラを指向するのは当然の話です。顧客を囲い込みやすくなるだけでなく、安定的な環境も提供しやすくなります。技術を独占するか公開するかは、企業の戦略。プロプラが強くなれば、「囲い込みは良くない」というフレーズを掲げて、顧客獲得を図るオープン勢が登場するのも自然なことです。

 プロプラとオープンの戦いは形を変えながら、今後も続いていくでしょう。