写真1●LINEの「既読」がきっかけにトラブルが発生する例が発生している(写真はイメージ)

 LINEで送ったトークを相手が読むと、送った側の画面には「既読」の文字が表示される。既読とは相手のLINEアプリがメッセージを表示した(つまり相手が読んだ)ことを送り主に伝える機能で、緊密なコミュニケーションを望む青少年の生活の中に深く入り込んでいる。この機能によって、LINEのユーザー間で暗黙の了解が出来上がり、その了解を蔑ろにされることでトラブルが生まれるといった事態が発生している(写真1)。

写真2●「既読」スルーの例。トークを読んだことが相手に「既読」として見えることで、トラブルのきっかけとなる
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 自分が送ったトークに既読が付いたのに返事がない状態は、「既読スルー」「既読無視」と呼ばれる。既読スルーは、LINEを使う中高生たちにとても大きな問題と認識されている(写真2)。「(既読になってから)返事が遅くていじめられた子がいるから、既読を付けたら急いで返事している」とある女子高生は言う。かといって未読のままなら問題ないかというとそうもいかない。未読のまま放置することも「未読放置」と呼んで嫌う相手もいるからだ。その女子高生は「なるべく早く既読を着けて返事をするようにしている」とも言っていた。

 ジャストシステムの「大学生のLINE利用実態調査」(2013年6月)によると、71.4%が「既読が相手に分かるので返事をしなければ悪いと思う」と回答している。既読になったことで、プレッシャーを感じる大学生が多いというわけだ。こうした背景から、既読にせずにトークを読めるアプリや裏技がネットで人気となっている。