ミニノートを経て、薄型がモバイルの主役に

 1990年前後のノートパソコンのCMでは、ビジネスパーソンがさっそうと持ち歩く様子がアピールされた。しかし、3kg弱の重さがあり、電車で通勤することが多い日本人には、持ち運びが難しかった。

 そこで、重さを1kg台前半に抑えた携帯ノート(サブノート)の開発が日本メーカーを中心に始まった。1980年代の「ハンドヘルドコンピューター」とは異なり、液晶を折り畳むノートパソコンの形状を踏襲した製品である。ただ、いち早く登場した「HANDY98」や「FMR-CARD」は、フロッピーディスクドライブが外付けであるなど、パソコンのフル機能を利用できなかった(図1図2)。

●機能を切り捨てて小型化した初期の携帯ノート
図1

図2 富士通が発売した「FMR-CARD」。重さ990gで厚さ24mmとコンパクトだった。単3形電池2本で8時間駆動した
[画像のクリックで拡大表示]