ハイレゾ音源対応音楽プレーヤーを販売している韓国アイリバーが売りに出された。最大の株主である私募ファンドがアイリバーの株を売却することにしたのだ。

 韓国メディアは、日本の音響関連企業2社(会社名は非公開)がアイリバーの買収に乗り出したと報じた。6月に入ってからは、携帯電話加入者シェアで1位のキャリアである韓国SKテレコムがアイリバー買収に乗り出すことを明らかにし、韓国の新聞には「アイリバー買収めぐり日韓企業が競争」という見出しまで登場した。SKテレコムがアイリバー買収の意向を表明してから、アイリバーの株価は5日ほどで2倍に跳ね上がった。

 アイリバーの設立は1999年。高品質でデザインもかわいいMP3プレーヤーを販売し、韓国だけでなく世界市場でも人気が高かった。iPodが発売されてからはMP3プレーヤーの人気が落ちたため、より高音質の携帯型音楽プレーヤーをはじめ、ナビゲーション、電子辞書、電子書籍端末、Kibot(子供向けロボット、Wi-Fi接続で防犯カメラ機能・電子書籍・アニメなどをダウンロードできる)、スマートフォンなどモバイル端末――といった製品を製造販売している。

 2012年からは24ビット/192kHzのスタジオマスタリング音源(Mastering Quality Sound、ハイレゾ音源、ITproの関連記事)を再生できる高級携帯型音楽プレーヤー「Astell&Kern」シリーズを、2013年には心拍数やGPS移動経路記録、カロリー消費量などを計測するヘッドホン「iriverOn」を発売した。