サッカーのワールドカップになると、熱烈な街角応援で海外メディアにもよく紹介される韓国だが、今回のワールドカップは街角応援よりモバイル放送の方が人気を集めている。

 韓国代表のグループリーグ3試合の開始時刻は、午前7時、午前4時、午前5時と朝早い。街角に繰り出して応援するには、とても微妙な時間帯だ。韓国代表の第1戦、ロシアとのゲームは6月18日午前7時のキックオフだった。出勤ラッシュの時間帯だけに、早めに会社に行って社員みんなで応援した人もいたし、電車の中でスマートフォンを使って生中継を見る人も少なくなかった。

 韓国代表戦は、DMB(Digital Multimedia Broadcasting、韓国版ワンセグ)、ポータルサイト「NAVER」と「Daum」のインターネット生放送、地上波放送局3社が共同設立したモバイル放送「pooq tv」(テレビ番組を視聴できるアプリ)で視聴できる。

写真●ポータルサイト「Daum」のワールドカップ生中継ページ。全試合のハイライト場面をまとめた動画も提供している
[画像のクリックで拡大表示]

 最近は、DMB視聴機能を搭載していないスマートフォンも多く、ほとんどの番組をインターネット経由のVOD(ビデオオンデマンド)で利用できるため、DMBの利用は減少していた。しかしワールドカップのおかげで、久々にDMBを利用したという人も多かった。視聴率調査会社である韓国TNmSのデータによると、韓国代表戦があった18日午前7時から9時までのDMB視聴率は、前日の同時間帯の5.8倍にも上った。