2002年8月、住民基本台帳ネットワークが稼働した。この住民基本台帳ネットワークにおいて、文字情報をやりとりするために用いられているのが、住民基本台帳ネットワーク統一文字(以下、住基文字)であり、現在は2万1170字を収録している。

 各市区町村の住民票システム(あるいは住民基本台帳システム)は、内部コードとしてはそれぞれ独自の文字コードを使用する一方、住民基本台帳ネットワークとのやりとりにおいては必ず住基文字を使用する。住基文字には、それぞれ4桁の16進数が割り当てられており、本稿では「J+xxxx」の形で示すことにする。

 2万1170字の内訳は、以下のとおり。

J+0020~J+33FF非漢字1274字
J+FF00~J+FFFE互換非漢字163字
J+AC00~J+ACFF変体仮名168字
J+4E00~J+9FFF漢字13185字
J+3400~J+4DFF806字
J+AAA0~J+ABFF303字
J+F900~J+FAFF互換漢字99字
J+AD00~J+D6FF追加漢字5172字

 住基文字2万1170字のうち15379字に関しては、住基文字とUCS(Universal Multiple-Octet Coded Character Set、いわゆるUnicode)が一致しており、残りの5791字はUCSと異なっている。

 第1回で説明した「JIS X 0213」の第一水準漢字と第二水準漢字については、UCSと住基文字が完全に一致しているが、対応する住基文字の字形は、2000年版のJIS X 0213例示字形である。例えばU+845B「葛」の場合、2000年版字形はJ+845Bに、2004年版字形はJ+B9D5に、それぞれ収録されている。

J+845B J+B9D5 J+B9D6 J+B9D7
J+B9D8 J+C0F7

 UCSとは対応しないJ+B9D5が、常用漢字表の字形であるという点に注意を要する。なお、それ以外の字形は、各ITベンダーが各市区町村の住民票システムのために準備していた文字を、住基文字が取り入れたものである。