最近の高校生は、クラスメイトでも互いのメールアドレスや電話番号は知らず、LINEだけでしかIDを交換していないという(写真1)。普段の連絡はすべてLINE、無料通話もLINEだ。

写真1●高校生にはソーシャルメディアのIDしか友達の連絡先を知らない例が少なくない(写真はイメージ)

 しかしLINEのIDしか連絡先を知らないことには問題もある。「けんかをしてLINEをブロックされた時、(相手に)連絡できなくて困った」とある女子高校生は振り返る。この生徒の場合は、相手のTwitterのアカウントも知っていたため、Twitter経由でメッセージを送り何とか連絡できたそうだ。

SNSのIDしか知らない友達

 過去に本連載で述べた通り、子どもたちは互いの名前を知らないまま、TwitterやLINEのほか、GREEやMobageといったゲームサイトで交流しているケースが多い。このようなケースでは、パスワードを忘れるなどしてアカウントにログインできなくなると、それまで培ってきた関係までが切れてしまう。

 実際筆者は数年前に、ある女子大生から「mixiのパスワードを忘れちゃってログインできない。過去に書いた日記が読めないし、友だちに連絡できないので何とかならないか」と相談されたことがある。mixiには「パスワード・メールアドレスを忘れた方」という再設定フォームはあるが、以前登録したメールアドレスを変えてしまっていたため、その機能を使えなかった(写真2)。

写真1●mixiのログインページ 「パスワード・メールアドレスを忘れた方」フォームもあるが、両方忘れると手の打ちようがない
写真2●mixiのログインページ 「パスワード・メールアドレスを忘れた方」フォームもあるが、両方を忘れると手の打ちようがない
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