情報処理推進機構(IPA)セキュリティセンターは、毎年その年に発生したセキュリティ事故や攻撃状況、IT環境の変化などから、各セキュリティ脅威ついて順位づけしている。第5回は、インターネット環境、ライフスタイルの変化に着目し、社会に影響を与えているまたは与えつつある、注目すべき脅威や懸念事項について解説する。

表1●注目すべき脅威や懸念

ネットワーク対応機器の増加
~サーバーやパソコン以外の機器も攻撃対象に~

 昨今、職場や家庭において、インターネットに接続できる機器が増加しており、リモートからメンテナンスが行えるなどの便利な機能を提供している。一方で、これらの機器の不適切な設定により、情報漏えいや機器が乗っ取られるなどの被害が発生しており、新たな脅威となっている。

インターネット接続機器の増加

 近年、ウェブサーバーを内蔵し、ウェブインタフェースにより設定・管理できる、下記のようなオフィス機器や家電機器が増えている。

オフィス機器

  • 複合機/プリンター
  • ウェブカメラ
  • NAS(Network Attached Storage)
  • ルーター

家電製品

  • デジタル液晶テレビ
  • ブルーレイディスクレコーダー
  • ゲーム機

 ユーザーは、ブラウザ経由でこれらの機器にアクセスし設定を変更したり、内部の情報を確認したりすることが出来る。また、インターネットに接続することで、リモートからの情報閲覧などに利用でき、家電製品であれば、外出先からの録画設定なども行える。