第3回でGQM+Strategiesの意義と、それを使うメリットについて説明した。しかしゴール(目標)を明確にし、それを実現するための戦略を立案しても、それが実行されなければ絵に描いた餅にとどまる。

 市販されている多くの戦略立案支援ツールは、プランニングする際の筋道を明らかにする手法にはたけている。ただし、ゴールを目指して実行する戦略を、企業の組織レベルにまで落としこむことは難しい。

 これに対して、GQM+Strategiesは企業の組織構造に合わせて、それぞれの組織の目標と戦略を定義していく。各組織がすぐにプランを実行することができるという点で、非常に有効だ。

 さらに、GQM+Strategiesには、これまでの戦略立案支援ツールにはない仕組みがそろっている。その仕組みとは、「戦略を実行した結果、うまくいっているかどうかを測定する」というものだ。これにより、企業全体で複数設定した戦略のうち、「どれがうまくいっているのか」「うまくいっていないのはどれか」が分かるだけでなく、「ゴール(目標)自体が誤っていた」といったこともつかめる。

 そこで今回は、戦略の効果を測定する仕組みについて説明する。