「大阪ガスのような普通の企業がデータ分析を活用するためには、ビジネス課題を『見つける力』、分析問題を『解く力』、データ分析結果を『使わせる力』の3つの力が必要」――。大阪ガス 情報通信部アナリシスセンター所長の河本薫氏(写真1)が、2014年6月18日に「Cloud Days 九州 2014/ビッグデータEXPO 九州 2014/スマートフォン&タブレット2014 in 九州/Security2014 in 九州/MOBILE&SOCIAL 九州 2014」のKEYNOTE講演に登壇。「データ活用でビジネスを変える~大阪ガスの挑戦~」と題して、大阪ガスにおけるデータ分析の取り組みについて講演した。

写真1●大阪ガス 情報通信部アナリシスセンター所長の河本薫氏
写真1●大阪ガス 情報通信部アナリシスセンター所長の河本薫氏
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 大阪ガスでは、15年前にデータ分析チームを作り、「それ以来、地味にデータ分析を続けてきた」(河本氏)。「2年前くらいから、この取り組みを見学しに来る会社が増えた。見学に来る会社は、共通の悩みを抱えている。それは、データベースをそろえて統計解析をしても、“何も始まらない”ことだ。つまり、データ分析を社内で活用できていない。実は、10~15年前は、我々も同じだった。『統計解析とITだけ』ではダメなんです」(河本氏)。

もらった宿題を解くだけなら「分析代行業者」に過ぎない

 河本氏が所長を務めるビジネスアナリシスセンターは、大阪ガスの情報通信部の内部組織である。「社内の全組織と関係会社向けにデータ分析を行っており、『独立採算性』になっていることが特徴。我々がデータ分析を行った部門に対しては、費用を請求している」(同)。メンバーの数は8人だ。

 「15年前は、営業部や製造部から『宿題』をもらっていた」と、河本氏はいう。しかし、「これでは、『分析代行業者』に過ぎない。宿題をもらうのではなく、データ分析で会社を変えていこうと考えた」(河本氏)。