リアライズ 社長 大西浩史氏(写真:石川恵愛)
リアライズ 社長 大西浩史氏(写真:石川恵愛)
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 「データマネジメントのビジネス効果は、はっきり示せる。EC(電子商取引)サイトのコンバージョンレートが上がった例がある」。日本データマネジメントコンソーシアム(JDMC)が先頃開催したカンファレンス「データマネジメント2014」でリアライズの大西浩史社長はこう語った。

 コンバージョンレートとは、Webサイト上で訪問者が商品購入や会員登録などに至った率を指す。情報システムのビジネスに対する貢献度を捉える指標の一つといえる。

 大西社長はリアライズが手がけた、あるECサイトの事例を挙げる。このサイトの運営者は、訪問者の利便性を向上させるために、新機能を追加した。訪問者が画面中のメニューに表示された商品のスペック(性能)を選択すると欲しい商品を検索できるというものだ。

 新機能を正確に動かすために重要になったのが商品データの再整理である。サイトで扱っている商品データの属性値を整理し直し、スペックを検索すると的確な商品が表示されるように工夫した。

 「新機能をリリースした直後からスペック検索の利用回数が一気に向上し、同時にコンバージョンレートが上がった。データマネジメントがビジネスに価値を提供した好例だった」(大西社長)。

 大西社長は商品データは商品そのものに等しいという。実際の商品に触れられないインターネットの世界では、訪問者にとって商品データが唯一の検討材料になるからだ。「商品データをしっかりマネジメントし続けることが大切。これができるかどうかで、ビジネスの勝敗が決まると言っていい」

 リアライズは顧客データのクレンジングと名寄せを請け負い、不足している情報を加えるデータ整備サービスや、商品や調達資材のマスターデータを構築するサービスなど、各種のデータマネジメント関連サービスを手掛けている。同社は1998年、NTTデータの社内ベンチャー・プロジェクトとして、大西社長が起業した。