日本テラデータ コーポレート・エバンジェリスト 金井啓一氏(写真:石川恵愛)
日本テラデータ コーポレート・エバンジェリスト 金井啓一氏(写真:石川恵愛)
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 「大量のデータを顧客のビヘイビア(Behavior、行動)に注目して分析し、商品開発やサービス改善に生かす。行動分析(Behavior Analytics)がデータ活用の最前線で注目されるキーワードだ」。

 日本データマネジメントコンソーシアム(JDMC)が先頃開催したカンファレンス「データマネジメント2014」で、日本テラデータの金井啓一コーポレート・エバンジェリスト/エグゼクティブ・コンサルタントはこう語った。

 金井氏によると、年齢や年収などの属性だけでは捉えきれない、ビヘイビアでしか分からないことがあり、それを捉えたマーケティングが可能となるという。例えば、年収の高い顧客でも、給料日前に資金不足になる傾向があったり、カードローンのWebサイトを閲覧していたとしたら、カードローンのニーズがあることになる。従来、金融機関がカードローンのマーケティングをする場合、年収の高い人より低い人をターゲットにすることが多かった。

 「行動分析はビジネスチャンスの拡大に役立つ。だからこそ企業は必死になって、データ分析環境の整備を急いでいる」(金井氏)。

 そのためには、分析作業を繰り返し、素早く実行、検証できるシステム環境が求められる。「大量のデータを分析して見出した100のヒントのうち、ビジネスとしてうまくいくのは二つか三つ」(金井氏)だからだ。

 データ分析をするシステム環境の理想型を金井氏は「One Platform」と表現する。一つのシステム基盤の上で、データの収集、クレンジング(データの質を担保すること)、分析までを一貫して行えるようにする。

 日本テラデータはOne Platformの考え方を「Teradata Aster」という製品で実装した。Asterはビッグデータを分析するためのソフト製品で、リレーショナルデータベースの扱う構造化データや、Webページやソーシャルメディアの多構造化データなど、異なる種類のデータを一括して管理し、分析できるという。