企業がソーシャルメディアを、自社の戦略や施策に活用していく際に「王道」と呼べるようなものは存在しない。担当者は自分たちで試行錯誤をしながらソーシャルメディアを運営していくことになる。例えば投稿するコンテンツのテーマや内容の決定やその効果測定の仕方などでは、こういった試行錯誤が多く発生しているだろう。

 自分たちで試行錯誤をしなくてはならないとはいえ、やはり他の企業がどういうアプローチをしているかは気になるところだ。それは日本に限らず海外でも同様で、実際「他企業のアプローチが垣間見える調査」というのは非常に人気があるようだ。2014年6月には、同様の調査をANA(Associations of National Advertisers=全米広告主協会)が発表している。

 この調査は「2014 ANA Social Media Content Development Survey」と題されており、4月にANAが米国内のデジタルマーケター約150人を対象に実施したものである。この調査では全回答者のマーケティング職経験年数が平均約15年で、半数が部長職以上となっている。

 この調査で見えてきたことがいくつかある。一つめは「多くの企業(ブランド)は、複数のSNSを使い分け、コンテンツ制作ポリシーを持ち、多種多様のコンテンツを制作し、そのパフォーマンスを測定する環境を持っている」という点だ。多くの企業が使用しているSNSはFacebook、Twitter、そしてYouTubeの3つで、回答企業の90%前後が活用している。続いてLinkedInが約70%だった。

 米国企業のSNS活用では、これら4種類のSNSをどう活用していくかがポイントとなっているようだ。ちなみにPinterestやInstagramは、広く使われるようになってきたとはいえまだ全体の半分に満たず、約40%程度の活用にとどまっている。

 これらのSNSで展開されている投稿は、テキストによる通常の投稿から動画、そしてクーポンやインフォグラフィックスに至るまで多岐にわたっている。その中でも成功していると考えられるのが、製品やブランドのプロモーションなどとは関係が無い通常の投稿や動画のようだ。