プラットフォーム・アズ・ア・サービスの略。データベース(DB)やAPサーバー、開発フレームワークといった、アプリケーションの開発や運用に必要なミドルウエアを、クラウドサービスとして提供する。米セールスフォース・ドットコムの「Force.com」や米グーグルの「Google App Engine」、米マイクロソフトの「Microsoft Azure」などに加え、2014年2月には米IBMが「BlueMix(開発コード名)」のベータ版を公開。ベンダー間の開発競争が活発になってきた。

 こうした背景から、ミドルウエアを仮想マシンに配備し、管理するPaaS構築ソフトが注目されてきた。とりわけオープンソースソフトウエア(OSS)の「Cloud Foundry」に勢いがある。Cloud Foundryは、米ヴイエムウェアが開発に着手し、米Pivotalが引き継いだ。2014年6月には、「Cloud Foundryファウンデーション」が設立、IBMや米ヒューレット・パッカード、独SAPなども開発に加わる。先のIBMのBlueMixは、同社のIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)「SoftLayer」上にCloud Foundryベースで構築したものだ。

 米アマゾン・ウェブ・サービスの「AWS」を中心に、IaaSが値下げ競争へ収束しつつある今、魅力あるミドルウエアを一緒に提供する“PaaS仕立て”が新たな競争軸になってきた。そうしたキラーミドルウエアの一つが、OSSの分散処理ソフト「Hadoop」やSAPのインメモリーDB「SAP HANA」といった、ビッグデータ関連ソフトだ。AWSでは、既に両ソフトが利用可能。マイクロソフトも6月末までに、Microsoft Azure上でSAP製ソフトを動作保証する見通しである。