Amazon Web Services(AWS)を利用する上で知っておくべき制限事項がある。前回の「申請面でのつまずきポイント」のように、申請すれば解消する制限もあるが、ユーザーが受け入れなければならない制限がある。今回はこうした、知らないとつまずく制限事項やAWSの仕様について解説する。

つまずきポイント1:監視データを2週間しか保存できない

 システムを運用していると、リソースの状況を確認・分析する必要がある。AWSでは、「CloudWatch」と呼ぶサービスで、EC2やRDSなどの各リソースの状況を監視できる。EC2インスタンスのCPUの状況やRDSのI/O状況、ELBのレイテンシー状況、課金情報などが確認できる。

 しかし、そうした監視データの記録には上限があり、最大2週間までしか記録されない。これを知らずに運用して、いざ2週間より前の監視データを参照しようとしても、知るすべはないのである。

 対処策としては、CloudWatchで監視しているデータ項目を、APIを介して外部の監視システムに蓄積するのがよいだろう。ZabbixやMuninといった、オープンソースのサーバー監視ツールと連携させれば、長期的に監視データを蓄積することが可能になる。