「高度情報化」や「インターネット時代」という言葉は、僕らにとっては何を今さらと思うほど使い古された言葉ですよね。巷ではデジタル・ネイティブと呼ばれる「新人類」も登場していると言われているくらいですし、現に筆者の娘もまだ幼稚園児だというのにiPadを使ってゲームやら何やらをピコピコとうまいこと操作しているから驚きです。

あらゆるものがデジタル化される世界

 では、なぜ僕があえてデジタル化の脅威を今さら説こうとしているのかというと、日本国内だけを見ていては、そのデジタル化が与える巨大なインパクトが見えないからです。日本では既に10年以上も前にブロードバンド回線が当り前になり、今やスマートフォンからの通信ですら極めて高速な回線に切り替わりつつある今、デジタル化の波はもう完了したのではないかと思ってしまいがちです。

 しかし、世界を見ると事情は大きく異なります。十数年前のアジアといえば、まだまだ発展途上にあり、その国の人たちがPCやケータイを駆使してインターネットで世界につながるなんてことは想像もできなかったのです。今回僕は、フィリピンへ語学留学へ行ったり、東南アジア諸国を巡ってみたりして驚いたことは、今どきの新興国は、道路や水道よりも通信インフラが先行しているという現実です。

 水道すらなく、道路も舗装されていない村でも人々はケータイを持ち、インターネットに接続しFacebookやらTwitterを使っているのです。これは日本では到底考えられないことですよね。

写真1●フィリピンの小さな町のマーケット。まだまだ発展途上の雰囲気はあるが、ここにいるほとんどの人々が携帯電話やスマートフォンを日常的に使いこなしている
写真1●フィリピンの小さな町のマーケット。まだまだ発展途上の雰囲気はあるが、ここにいるほとんどの人々が携帯電話やスマートフォンを日常的に使いこなしている
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