近年隆盛を誇るソーシャルゲームやオンラインゲームに欠かせないのが、ユーザー同士の交流や対戦機能である。ユーザー同士で勝敗を競ったり、協力したりしながらゲームを進めるのが、ソーシャルゲームやオンラインゲームの醍醐味の一つだからだ。今回はmBaaSの機能を活用して、ソーシャルゲームやオンラインゲームと同等の機能を実現する方法について、実際のアプリを例に紹介していく。
「パズうま」の事例から見るユーザー同士のつながり
mBaaSの機能を活用してユーザー同士のつながりを実現しているアプリの例として、ここでは「パズうま」を取り上げる(図4-1)。
「パズうま」は、レースやトレーニングをしながら競走馬を育て、4年に1度の世界大会で優勝を目指す競馬ゲーム。「怒濤のゲームアプリ 1000本ノック*」から配信されているiPhoneアプリだ。mBaaSの機能を活用して、育成した競走馬をユーザー同士で対戦させたり、交配させたりする機能を実現している。
ユーザーは、馬主として一頭の競争馬を育成していく。引退を迎えた競走馬は交配をして、子馬が親の夢を引き継ぐ。またレースだけでなく、トレーニングを導入し馬を成長させる要素もある。これにより「レース→トレーニング→馬の成長→レース」というゲームを繰り返す、ユーザーサイクルを生み出している。
さらに、4年に一度の世界大会や、育成した競走馬の交配システムを設けることで、「世界大会→交配→4年間→世界大会」といった一回り大きなゲームサイクルも作っている。これにより、ゲーム自体が単調にならず、ユーザーが長く楽しんでもらえるような工夫がなされている。
ユーザー情報を抽選して呼び出し、オンライン対戦を演出
こうした仕組みを実現するために、mBaaSの会員管理機能を活用している。ユーザーがIDを登録するとmBaaS側のデータベースに格納される。その情報を、mBaaSの会員管理機能を使って管理できるのだ(図4-2)。