スマートフォンアプリが日々増加するなか、アプリをせっかくダウンロードしてもらっても、たくさんのアプリに埋もれてしまったらなかなか起動してもらえない。アプリ自体に継続的に利用してもらえる要素を付け加える、あるいはアプリのアイコンを目立たせる、といった対策もあるが、今回は効果的な策の一つとして、mBaaSの代表的な機能の一つである「プッシュ通知」を詳しく解説していく。

プッシュ通知でアプリの起動を促す

 プッシュ通知とは、スマートフォンやタブレットに対して外部から通知を送信できる(プッシュできる)仕組みのこと(図3-1)。通知の受信を許可したデバイスに対してだけ配信できることや、送信者の好きなタイミングで配信できることが特徴だ。

 最近注目されているHTML5も、Webアプリケーションでもネイティブアプリとほとんど変わらないような機能を実現できるが、越えられない壁の一つがこのプッシュ通知なのだ。

図3-1●プッシュ通知の例<br>プッシュはロック画面にも表示できる(左)。利用中は画面上部に表示される(右)
図3-1●プッシュ通知の例
プッシュはロック画面にも表示できる(左)。利用中は画面上部に表示される(右)。
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 プッシュ通知は、米アップルや米グーグルの通知サービスを介して送信される。外部のサーバーなどからアップルの「APNs(Apple Push Notification Service)」、グーグルの「GCM(Google Cloud Messaging)」にリクエストを送信し、それぞれのサービスからスマートフォンにプッシュ通知が送信される(図3-2)。

図3-2●プッシュ通知の構成
図3-2●プッシュ通知の構成
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