2014年、日本のスマートフォン保有率が50%を超えた。ついに国民の半数以上がスマホを持つに至ったのだ。これからスマホ向けのビジネスはさらに拡大していくだろう。こうしたスマホビジネスの主軸は「アプリ」であり、スマホビジネスの拡大は従来のWebサイトからアプリへの転換を意味する。

 日本はグローバルで見ると特殊なスマホアプリ市場である。入れ替わりの速い「ゲーム」「メッセージ」「SNS」などが大きく成長し、俊敏な開発やプロモーションがマネタイズのキーとなっている。そこで今回はスマホビジネスを取り巻く状況と、モバイルアプリ開発に特化したクラウドサービス「mBaaS(mobile Backend as a Service)」のメリットを解説する。

インターネットビジネスの主軸は「スマホアプリ」

 数年前まで、インターネットといえばPCからWebサイトへアクセスするのが一般的だった。つまりインターネットビジネスでは、魅力あるWebサイトの構築が重要とされていた。ところが、スマートフォンの急速な普及とともに、インターネットビジネスの主戦場は「Webサイト」から「スマホアプリ」に移った。

 今から6年前の2008年7月。米アップルがスマートフォン「iPhone 3G」を発売し、App Storeを公開した。こうして、サードパーティに対し、スマホアプリ開発の門戸が開かれた。

 2014年の今、日本人のスマホ保有率は50%を超え、それらは無線ブロードバンドでシームレスにネットにつながっている。App Store やGoogle Playなどのアプリマーケットには、日本国内だけで100万件以上のアプリが登録、提供されている。

 ニュースを読むにもニュースアプリに最適化された記事がスマホに届き、友達からのメッセージがアプリに通知され、アプリ内で会話をする。ゲームで遊ぶ画面はテレビでもガラケーでもなく、スマホのアプリ。毎朝、駅のホームで電車を待つ手にはスマホが握られ、アプリが起動した画面を誰もが見つめている。今や、PCやガラケーをしのぎ、インターネットへのアクセスといえばスマホが入り口となりつつある事に疑いの余地がない状況だ。

 インターネット草創期から2000年頃にかけて起こった、ポータルサイトなどに代表される「Webサイト」へのアクセスが爆発的に増えた流れと同じように、圧倒的なトラフィックを生み出すデバイスが「PCや携帯電話」から「スマホ」へと替わる、その潮目の時期が来ているのだ。