Windows XPには「Outlook Express」が、そしてWindows Vistaには「Windows メール」と呼ばれるメールソフトが、標準で搭載されていた。Windows 7になると、突如としてメールソフトは搭載されなくなってしまったが、Windows 8では再びメールソフトが標準搭載されるようになった。それが、「メール」と呼ばれるWindowsストアアプリである。

 「メール」アプリは、複数のアカウントを登録してメールの送受信を行うことができる一般的なメールソフトだが、利用するには注意する点もある。

 そこで、今回のWindows 8.1道場は、Windows 8.1でメール環境を構築する際の注意点と、その方法を解説する。

「メール」アプリを使う際の注意点

 Windows 8.1には、標準で「メール」と呼ばれるWindows ストアアプリが標準搭載されている。そのため、基本的にはメールソフトを別途インストールしなくてもメールの送受信が可能だ。ただ、2点だけ注意すべき点がある。1つは、「メール」アプリはMicrosoftアカウントでサインインしないと起動できない点だ。仮にローカルアカウントでスタート画面にピン留めされている「メール」タイルをクリック(タップ)したとしても、Microsoftアカウントへの切り替えを求められ、ローカルアカウントのままでは先へ進めない(図1)。

図1●「メール」アプリを起動するには、スタート画面で「メール」タイルをクリック(タップ)する。ただし、ローカルアカウントでサインインしていると、Microsoftアカウントへの切り替えを要求され起動できない。
図1●ローカルアカウントでは、「メール」が起動しない
「メール」アプリを起動するには、スタート画面で「メール」タイルをクリック(タップ)する。ただし、ローカルアカウントでサインインしていると、Microsoftアカウントへの切り替えを要求され起動できない。
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 さらに、もう1つ注意するべきことは、「メール」アプリがサポートするメール受信プロトコルに、「POP(POP3)」が含まれていないことだ。「POP(POP3)」とは、メールをメールサーバーから取得するためのプロトコルで、多くのメールサーバーが採用している。

 したがって、これまで利用してきたメールサーバーが「POP(POP3)」にしか対応していない場合は、「メール」アプリの使用を諦めなくてはならない(図2)。

図2●メールアカウントを追加する際に表示される選択画面には、「Exchange Active Sync(EAS)」か、「IMAP」のどちらかしかなく、「POP(POP3)」を選択できない。
図2●「メール」アプリは、POP(POP3)に対応しない
メールアカウントを追加する際に表示される選択画面には、「Exchange Active Sync(EAS)」か、「IMAP」のどちらかしかなく、「POP(POP3)」を選択できない。
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 もし、どうしてもMicrosoftアカウントを取得したくない場合や、メールアドレスが「POP(POP3)」にしか対応していない場合は、Windows 7同様、別途メールソフトをインストールする必要がある。これら他のメールソフトのインストール方法については、後半で紹介する。