大手、中堅中小を問わず、ITベンダーが人材不足感を強めている。この状況は、2015年から2017年ごろにかけてピークを迎える可能性が高い。これが「2015年問題(2016年問題、なとどもいわれる)」である。

 リーマンショック以降、冷え込んでいた企業のIT投資の回復が顕著になっているのに加えて、相次ぐ大型プロジェクトが人材不足の状況に拍車をかけている。

 ピーク時の開発要員として約1万人を見込む日本郵政グループのシステム刷新などのプロジェクト、ピーク時に8000人の要員をかける見込みである、みずほ銀行の新勘定系システム構築プロジェクトなどだ。ほかにも社会保障・税番号(マイナンバー)制度や、東京電力の持株会社制移行に伴うシステム改修などの大型案件が続く。

 これらの大型プロジェクトが一段落した2017年以降は「人余り」の状態になるとの見方もある一方、2020年の開催が決まった東京オリンピックが、さらなるIT需要を生む可能性も高い。IT業界における人材不足の状況が予想より長引くことも十分考えられる。