大企業によるスタートアップ企業の買収が、結果的に失敗に終わるケースは少なくありません。今回の投稿は、この理由に関するブランク氏の考察です。彼は「何を買収したのか」「スタートアップ企業のステージはどこにあるのか」に失敗の原因を見出しています。(ITpro)

 過去数10年間にわたり、シリコンバレーでは、大企業がスタートアップ企業を買収し続けています。最近では、絶え間のない破壊的変革への圧力もあり、大企業はその買収ペースを加速しています。

 ともすれば、これらの買収は、失望に終わります。

 大企業がスタートアップ企業の統合に失敗した事実から、何を学べるのでしょうか。答えは、スタートアップ企業を統合する戦略には2種類あるということであり、スタートアップ企業のライフサイクルの位置次第ということになります。

イノベーションのポートフォリオ

 ほとんどの大企業は、3種類のイノベーションを管理しています。具体的には、既存の製品を段階的に改良する「プロセス・イノベーション」、企業の現存のビジネスモデルの強みに基づき、新しい事業を創る「継続的イノベーション」、今まで無かった、新しい製品やサービスを創る「破壊的イノベーション」です。

 企業はこれらの3種のイノベーションを、イノベーション・ポートフォリオで管理します。つまり、イノベーションを社内で創出するのか、買収するのか、あるいは外部の資源(企業/組織)と提携するのか、のいずれかです。

外部から購入する5種のイノベーション

もし外部から購入するとすれば、大企業ができることは、以下の5点になります。

1. ライセンス/知的財産権の購入
2. 企業の運営者の買収(製品は破棄)
3. 他企業の製品群購入と自社製品への組み込み
4. 製品および顧客を獲得するための企業買収
5. 売上と収益を得るための企業買収