Surface Pro 3
Surface Pro 3
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 先日、MicrosoftがSurface Pro 3を発表した。日本でも今週、発表会が行われ、7月17日の発売が決定している。

 これまでのSurfaceと異なるのはそのスクリーンサイズで、これまでの10.6型から12型へとひとまわり大きくなっている。しかも、その比率は3:2だ。身近なスクリーンのアスペクト比としては写真の35mmサイズに相当する。つまり、デジタル一眼レフカメラでの撮影画像はこの比率だ。別の言い方をすると、16:9だった今までのスクリーンが16:10.7くらいになっている。ちなみにiPadは4:3、すなわち16:12で、より正方形に近い比率だ。いわゆるレガシーなスクエアモニタの比率と同じで、これは縦でも横でも使いやすいという折衷案に近いものだと思われる。

 Surface Pro 3のアスペクト比には、Windowsをポートレートで使わせたいという意図がくみ取れる。これまでの16:9スクリーンを縦位置に構えると、やはり横方向が狭く感じる。スマートフォンのスクリーンでは16:9が当たり前になっていて、そこに最適化されたレイアウトでページが表示されるが、Windows環境からのアクセスではモバイルサイトへのリダイレクトが行われないことが多い。表示されるPC向けサイトを見るとわかるが、16:9の縦位置での表示では決して使いやすいとはいえない。縦にしたとき、いつも横方向がもうちょっと広ければと感じるのだ。

縦か横か、画面デザインも柔軟に

 タブレットを手にしたとき、縦位置で操作するか、横位置で操作するかの分かれ目となる分岐点が16:10あたりではないだろうか。10を超えれば縦位置で使おうという気持ちになる印象がある。もちろん、それは、絶対的なスクリーンサイズにもよるのだが、その意図があったからこそ12型になったのではなかろうか。

 Windowsは、多彩なハードウエアがその武器だ。Microsoftがこの方向性を示したことで、ポートレートでWindowsを使うというスタイルが、これからちょっと伸びていくかもしれない。業務アプリケーションの画面をデザインする場合も、その画面が縦位置のスクリーンで使われる可能性というのを頭に入れておいたほうがよさそうだ。

山田 祥平(やまだ しょうへい)
フリーランスライター
1980年代、NEC PC-9800シリーズ全盛のころからパーソナルコンピューティング関連について積極的に各紙誌に寄稿。Twitterアカウントは @syohei