5月の中旬、米Facebookが中国本土に営業所を開設する計画を立てていると伝えられたが、これについて不思議に思った人もいただろう。というのもFacebookのサービスは2009年から中国本土で禁止されているからだ。

 同国では抗議デモなどに関する情報の拡散を嫌う当局が、「ゴールデンシールド」と名付けたプロジェクト(いわゆる万里のファイアウォール)で、Facebookなどの国外発のサービスを遮断している。

 Facebookでは、昨年Sheryl Sandberg最高執行責任者(COO)が訪中し、国務院(内閣)新聞弁公室のトップである蔡名照主任と会談した。新聞弁公室のWebサイトは、この時の写真を公開しており、そこには2人がFacebookのプラットフォームや中国企業の海外展開、協力関係について話したと記されている。

 この時、一部のメディアはサービス再開に向けた話し合いもあったと伝えていたが、現実はいまだ解禁に至っていないという状況だ。

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 そうした中、Facebookは中国で広告スポンサーを増やし、同国との関係をいくらかでも良いものにしたいと考えているようだ。先の報道は、Facebookがそのための営業所を開設するというものだった。報道によると、同社は北京市の高層ビル「Fortune Financial Center(FFC、財富金融中心)」内事務所スペースのリース契約について交渉しており、1年以内に営業所を開設する可能性があるという。