グロースハッカー――。ウェブ関係の仕事をしているビジネスパーソンであれば、この言葉を耳にしたことがあるかもしれません。グロースハッカーとは何者か。グロースハッカーはどのような仕事をして、具体的にいかなる成果を出していく人材なのでしょうか。

 私自身、グロースハッカーです。

 本連載では、私自身がグロースハッカーとして成果を出してきた経験談や、世界中のグロースハッカーたちとの交流を通して見えてきた「グロースハッカーの考え方や手法」、その成果について紹介します。

写真1●グロースハッカーたちとの交流を深める。左からAppSocialyの高橋氏、Keen IOのkylie wilde氏、LaunchRockのJameson Detweiler氏、著者、VASILY CTOの今村
写真1●グロースハッカーたちとの交流を深める。左からAppSocialyの高橋氏、Keen IOのkylie wilde氏、LaunchRockのJameson Detweiler氏、著者、VASILY CTOの今村
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「ハッカー」、悪い意味ではない

 まず「グロースハッカー」という言葉の定義をしておきましょう。

 「グロース」というのは「成長」のことです。当然のことながら、彼・彼女らは企業・団体のために働く人材なので、事業、製品・サービス、組織などの「成長」を指します。

 そして「ハッカー」。この言葉になかなかマッチする日本語がなく、この時点で頭の中に「?」がたくさん浮かんでしまう方も少なくないと思います。

 ハッカーというと、私達はどうしても「パソコンに不正アクセスして悪いことをするヤツ」みたいなイメージを抱いてしまいがち(どうしてそのようなイメージになってしまっているかは私も知りたいところ)ですが、元々テクノロジー業界では悪いイメージではなく、むしろ「常識にとらわれず、高度な専門知識持ち、成果を出す人」というポジティブな人材のことを指します。