FacebookをはじめとしたSNSが、今後ますます広告媒体としての色合いを強めていく――。そう思わせるニュースが、先週(2014年5月中旬に)立て続けに入ってきた。

 まずフランスの広告大手ピュブリシス・グループとFacebookがデジタルマーケティング契約を結んだ。これは数億ドル規模で複数年にわたる大きな契約と言われており、FacebookだけではなくFacebook社が所有する写真共有アプリをベースにしたSNSである「Instagram」に表示される動画広告も対象になる。

 続いて画像共有SNS「Pinterest」を運営する米Pinterest社が、アカウントのパフォーマンス解析などが可能となる「ビジネス・インサイトAPI」を一部のマーケティングテクノロジー企業に公開し始めた。これはPinterestがユーザー向けに公開しているアクセス解析ツール「Pinterest Analytics」の機能を、サードパーティー製のツールに実装できることを意味している。

 Pinterestは、以前からAPIの公開には非常に慎重で厳しい基準を設けてきた。こうした経緯を考えると、これは非常に大きな第一歩と言えるだろう。

 Pinterestと言えば、もう一つ大きなニュースがあった。米Pinterestの日本法人であるピンタレスト・ジャパンが、電通との業務提携を発表したのだ。今後電通は、日本でPinterestのビジネス戦略パートナーとして市場分析やコンサルティングを手がけ、日本国内でのPinterestのPR活動を積極的に支援していくだろう。

 冒頭で述べた「SNSが広告媒体としての色合いを強めていく」動きとは、ピュブリシス・グループとFacebookのデジタルマーケティング契約とPinterestのビジネス・インサイトAPIの公開に象徴されている。ただこれらは日本ではそれほど大きくは語られていないようだ。