写真1●ソーシャルメディアを使うことで子どもたちのコミュニケーションが変わり始めた(写真はイメージ)

 あなたには、リアルでのつながりは全くなくネット上だけの関係の友達はいるだろうか。ソーシャルメディアは、人と人とが知り合いつながるためにできているサービスであり、日常的に利用していると、交流や共通の知り合いなどからネット上の出会いにつながることがある。ネット上の関係に抵抗感を持たない子どもでは、 その傾向がさらに強くなる。

 総務省情報通信政策研究所が2014年5月に発表した「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査<速報>」によると、「ソーシャルメディアでよくやりとりする人」が何人いるか聞いたところ、一番多かったは「ソーシャルメディア上だけの友だち」で19.4人(回答した人数の平均値)だった(図1)。

 続いて、「今通っている学校の友だち」が15.0人で、「以前通っていた学校の友だち」が10.2人となった。高校生では男女とも、ソーシャルの友達が一番身近なはずの現在通っている学校の友達を上回っているのだ。大人ではソーシャルメディア上だけの友達が、ここまで大きな割合を占める場合は少ないだろう。 大人と子どものソーシャルメディアの使い方が大きく異なっていると考えてよさそうだ。

図1●ソーシャルメディアの利用状況 -ソーシャルメディアでよくやりとりする人数(2014年5月、「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査<速報>」より)
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 同調査では高校生のネット依存傾向について「高い」「中」「低い」の3段階に分けて分類している。特に「ネット依存傾向が強い」とされる生徒は、「ソーシャルメディア上だけの友だち」が93.1人もおり、「ソーシャルメディア上で初めて知り合い、実際に会ったこともある友だち」も5.3人いた。