米EMCは2014年5月、フラッシュストレージを手掛ける「米DSSD」を買収したと発表した。新たなアーキテクチャーを持つ製品の開発に同社が乗り出すことで、ビッグデータ活用の可能性が広がるとともに、ベンダーの開発競争が加速しそうだ。
現在、フラッシュ製品の主流にあるのは、「PCIeカード型」と「オールフラッシュストレージ」の二つで、EMCも両タイプの製品を提供している。
DSSDが開発中のフラッシュ製品は、PCIeカード型の進化系と呼べる。PCIeカード型は、サーバー内のPCIスロットにフラッシュメモリーを直結して用いる。高いI/O性能が得やすい半面、制約も少なくない。5月に米国で開催した「EMC WORLD 2014」で、米EMC 社長兼COOのデビッド・ゴールデン氏は、「(PCIeカード型は)容量が限られるし、サーバー内蔵なのでストレージはサイロ化する。またAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)も独自だ」と述べた。
DSSDは、PCIe接続の「高速性」を生かしながら、ある程度の「容量」を実装し、かつ標準APIを備える共有ストレージを目指す(図)。