大きな話題を呼び、短期間で売り切れた「イオンのスマートフォン」。もちろんこれの魅力は月額2980円(税別)という料金の安さだが、それに加えて「パッケージ」として売られていたという要素も大きかったと思う。

 人は誰しも、自分で知識やノウハウを蓄えて、自分で判断して物事を行っていくことの大変さを知っている。好きだからとかすごく必要だからとか、そういった事情がなければ、ラクに物事を進めていけたほうがいいに決まっている。スマホだってそう。すぐに使いたいのに、端末やサービスをいろいろ調べたり足を運んだりして、見極めて判断していくのはやはり面倒なものだ。

 その点、キャリアが提供しているスマホとは違い、MVNO(仮想移動体通信事業者)が提供する格安SIMサービスでは、各社ともに似たような内容のサービスが並んでいて、さらに端末を自分で探して選ばないといけない場合が多い。いったいどれを選んだらいいのか、とにかく困ってしまう。

 そんなときに「このSIMとこの端末、セットで使うといいですよ」と、あらかじめパッケージ化されて売られていれば、いちいち個々に吟味せずに済む。それも、イオンなどの大手流通チェーンや大手量販店のオススメ品であれば、「ハズレ」はあまりないだろうな、などと誰しもが思うだろう。

 本特集では、第1回の「イオンのスマホ」に続いて、第2回の「コヴィア」、第3回の「ポラスマ」と紹介してきた。イオンのスマホはともかく、コヴィアもポラスマも、けっこう慎重に見極めて入手する必要があるし、これらにどのMVNO SIMを入れて使うのか、など考えなくてはならないことが多い。

 端末の接続設定やアカウントなどの設定も、自分で行う必要がある。それに“初スマホ”の人は、AndroidなどスマホOSの操作も覚えなくてはならない。キャリア契約でも、従来型携帯電話機(いわゆるガラケー)からスマホに変えた人が、元に戻せないかと泣きついてきて結局ガラケーに戻す、なんてこともよくある話らしい。やはりスマホに変えると、けっこうパソコン並みに、いろいろと操作を覚えないといけないわけである。

 キャリア契約でもそうなのだとしたら、「MVNOのサービスでスマホデビュー!」なんて、考えただけで気が遠くなりそうだ。