企業は自社のグローバルビジネス拡大のために、グローバル人材を育てようと躍起になっている。政府も「グローバル人材育成推進会議」を作り、将来の日本を背負って立つ人材育成のための予算をねん出して、様々なプログラムを推進している。
最近では、大企業や国のバックアップなしに、自発的に日本を飛び出して外国の地で起業しているパワフルな若いビジネスパーソンも多数出てきている。
筆者は、今年(2014年)4月にカンンボジアを訪問し、熱きアントレプレナーたちに会う機会があった。その様子を複数回にわたってレポートする。
カンボジアの今
タイ、ベトナム、ラオスに囲まれたカンボジア王国は、日本の約半分の面積(約18万1000平方キロメートル)を持つ。人口は1500万人弱で、10分の1の約150万人が首都プノンペンに住んでいる。人口の90%以上が仏教徒である。
人口構成で特徴的なのは、0~24歳までが53.8%、25~54歳までが37.5%、55歳以上が8.7%と、若年層が大きな割合を占めるピラミッド型の構成になっていることだ(出典:カンボジア政府調査)。
カンボジアは、過去10年間にわたりASEANで最も高いGDP経済成長率を達成してきており、その勢いはさらに加速している。プノンペンの街中では、いたるところで高層のコンドミニアムやホテル、ショッピングセンター、レストランやカフェの建築が進行中で、活気にあふれている(写真1~6)。