一般社団法人の次世代放送推進フォーラム(NextV-F)や、ジュピターテレコム(J:COM)などが、それぞれCSとケーブルテレビで6月2日からいよいよ4Kの「試験的放送」を開始する。NAB2014での4K関連の状況と、4K試験的放送以降の日本の放送に関して考えてみる。
NAB2014では4Kはどうだったのか
NABでの展示は、予想通り4K一色であった。カメラやポストプロダクションなどのワークフローについてはこれまで以上に幅広く、安価で、現実的な存在として関係者の目の前に登場した。今年の変化としては、これまでは「完パケ」をメインに想定された一連の機材やワークフローであったのに対して、4Kのライブ制作環境が充実してきたことだろう。ソニーやRED(米Red Digital Cinema Camera Company)のカメラにアダプターなどを装着して、ライブカメラとして使用できるようになった(写真1)。
またIP化も着実に進んでいる。これまでのSDIをベースとした放送システムをIPに置き換えたり、SDIとIPを相互変換できる機能も提供されるようになった(写真2~6)。このことは複数のSDIケーブルが光ケーブルに置き換わることで、ライブ制作の機動性向上に大きく貢献をする。
もう一つのキーワードはクラウドだ。MicrosoftやAmazonが撮影後の映像やメタデータをクラウド上で扱うための提案を行い、Adobe Systemsもクリエイティブクラウドの次期バージョンを公開した(写真7)。