「Scratch」をご存じだろうか?基本的には、子供向けのグラフィカルなプログラム開発環境である(画面1)。

 だが、「子供向け」と言ってしまうことに抵抗を感じるほど、本格的なゲームやアニメーションが制作できる優れたプラットフォームだ、と筆者は思う(関連記事:プログラミングバトルが圧巻だった「Scratch Day 2014 in Tokyo」)。今回は医療を離れて、Scratchを通じた子供たちの教育はもちろん、大人である我々のプログラミング技術の“スキルアップ”についても考えたい。

画面1●Scratchのトップ画面
画面1●Scratchのトップ画面
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 現代人に必須の思考力を、Scratchで楽しみながら身に着けるというわけだ。

 まず、Scratchを体験するには、どんな環境が必要だろうか。実は、Webブラウザーさえあればよい。Webサイトで見られる1分ほどのビデオで、Scratchで何ができるかが理解できるはずだ(こちらから閲覧できる)。

 さて、このScratch、単なるプログラミング学習の道具とするにはもったいない。子供たちと一緒にゲームやアニメを楽しみながら、自分自身のスキルアップも図ろうではないか。

 これから実際にScratchについて見て行くが、その時に意識してほしいキーワードは3つ。

  • プログラミングと英語(English for Computing)
  • 子供の学習と大人の学習
  • 人間とコンピューター(Computational thinking)
である。

 では、早速Scratchに触れてみよう。